金融機関に充実してほしいこと 新型コロナ禍で変化
ネット取引サービス、セキュリティー対策が上昇

日経リサーチ「金融総合定点調査『金融RADAR®』本調査2020」リリース

株式会社日経リサーチ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:福本敏彦)は2月25日、金融総合定点調査「金融RADAR」の最新版をリリースしました。
この調査は生活者の金融に対する意識や世帯における金融行動の実態を総合的に把握するため、日経リサーチが毎年定期的に実施しています。今回は2020年10~11月に、首都圏40キロメートル圏内の20歳以上の男女が1人以上いる世帯を対象に実施し、2,827世帯からご回答をいただきました。以下、調査結果からトピックを1つご紹介します。

ネット取引・セキュリティー対策>手続きの簡易化

本調査では毎回、「日常利用する金融機関に、今以上に充実してもらいたいと思うこと」を聴取しています。2019年と20年の調査結果を比較し、スコアが上昇・下落した項目それぞれのTOP3を下のグラフで示しました。

TOP3

※1「インターネット・アプリでの取引サービス」は「パソコンのインターネットでの取引サービス」,「携帯電話(スマートフォンを除く)のネット機能による取引サービス」,「スマートフォン、タブレット端末のネット機能・アプリによる取引サービス」のいずれかを選択したスコア
※2「スマートフォン、タブレット端末のネット機能・アプリによる取引サービス」は2019年調査では「スマートフォン、タブレット端末のネット機能による取引サービス」としていた
※3「営業時間」は「営業時間(平日の夜間)」,「営業時間(休日)」のいずれかを選択したスコア

上昇した項目のTOP3は「インターネット・アプリでの取引サービス」「手数料の値下げ」「セキュリティー対策」で、下落した項目のTOP3は「営業時間」「手続きの簡易化」「支店の立地」となりました。新型コロナ禍に伴うデジタル化の進行で、「営業時間」や「支店の立地」の改善を求める声が減少する一方、「インターネット・アプリでの取引サービス」や「セキュリティー対策」はより求められるようになったものと推測されます。

同設問の項目を回答者の割合が高い順にランキングしたのが下の表です。最大5つまでの複数選択になっているため、順位が上がった項目は優先度が高まり、下がった項目は優先度が低くなったと考えられます。19年に6位だった「手続きの簡易化」が今年は10位以内に入らず、「インターネット・アプリでの取引サービス」と「セキュリティー対策」の順位が上がりました。

※1「営業時間」は「営業時間(平日の夜間)」,「営業時間(休日)」のいずれかを選択したスコア
※2「インターネット・アプリでの取引サービス」は「パソコンのインターネットでの取引サービス」,「携帯電話(スマートフォンを除く)のネット機能による取引サービス」,「スマートフォン、タブレット端末のネット機能・アプリによる取引サービス」のいずれかを選択したスコア
※3「スマートフォン、タブレット端末のネット機能・アプリによる取引サービス」は、2019年調査では「スマートフォン、タブレット端末のネット機能による取引サービス」としていた

昨年は「ドコモ口座」やゆうちょ銀行、SBI証券などで不正出金問題が相次いだことから、セキュリティー対策の充実を望む人が増えた可能性があります。また、新型コロナ禍で非対面での取引意向が強まる中、必要に迫られインターネットバンキングなどの非対面取引の利用を始めたものの、セキュリティーへの不安を拭えていない人もいるかもしれません。手続きの簡易化よりもセキュリティーを優先し、より強固にすることが利用者の不安の解消につながり、ネットバンキングやアプリなどの利用もさらに促進されるのではないでしょうか。

「金融RADAR」は毎年秋~冬に本調査、春~夏に特別調査を実施しています。前身を含めると30年以上の歴史と実績があり、調査結果は金融機関をはじめ、シンクタンク、大学など各方面でご利用いただいています。今回の調査結果や商品内容の詳細などに関しては、どうぞお気軽にお問い合わせください。

▼詳しくはこちらをご覧ください。(2020年本調査・特別調査の回答者属性と質問項目一覧のダウンロードが可能です。)
https://www.nikkei-r.co.jp/service/industry/radar/

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